「子規新報」にて、俳句集「さくさくさくらミルフィーユ」についての書評が掲載されました。
2013年 03月 28日
「子規新報」第40号(創風社出版)にて、私の俳句集「さくさくさくらミルフィーユ」についての書評が掲載されました。
書評を書いてくださった坪内稔典先生と出版社の許可を頂いたので、このブログに一部を転載します。
「新しい書き手は不意に現れる。しかも意外な作品を引っ提げて。以上のような感想を持ったのは、紀本直美の句集を読んだとき。俳句のような古典詩型では、新しさはいつも微量だが、その微量の新を彼女の句集に感じたのだ。
おちこんだあとははらっぱつくしつむ
つきあったら別れるものよタコならば
こういう俳句、今までなかった。土筆の句などはすでに何万というほど作られているだろうが、「おちこんだあと」と土筆が取り合わせになったことはおそらくない。しかも、この口語文体というか平仮名を多用したやわらかな文体も俳句では珍しい。
その次のタコは蛸であり、その蛸に人が重なっているのだが、恋人の別れが蛸の別れとはいやはや。とてつもなくおかしい。
おでんたべいとこんにゃくな縁切れず
ドラマの一場面を取り出したような句だが、「いとこんにゃくな縁」なんて妙に生々しい。ちなみに、私は句集の前半の作を紹介した。以上を読んで面白いと思われた方は句集を手にして後半も読んで欲しい。 坪内稔典」
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書評を書いてくださった坪内稔典先生と出版社の許可を頂いたので、このブログに一部を転載します。
「新しい書き手は不意に現れる。しかも意外な作品を引っ提げて。以上のような感想を持ったのは、紀本直美の句集を読んだとき。俳句のような古典詩型では、新しさはいつも微量だが、その微量の新を彼女の句集に感じたのだ。
おちこんだあとははらっぱつくしつむ
つきあったら別れるものよタコならば
こういう俳句、今までなかった。土筆の句などはすでに何万というほど作られているだろうが、「おちこんだあと」と土筆が取り合わせになったことはおそらくない。しかも、この口語文体というか平仮名を多用したやわらかな文体も俳句では珍しい。
その次のタコは蛸であり、その蛸に人が重なっているのだが、恋人の別れが蛸の別れとはいやはや。とてつもなくおかしい。
おでんたべいとこんにゃくな縁切れず
ドラマの一場面を取り出したような句だが、「いとこんにゃくな縁」なんて妙に生々しい。ちなみに、私は句集の前半の作を紹介した。以上を読んで面白いと思われた方は句集を手にして後半も読んで欲しい。 坪内稔典」
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by kimotonaomi
| 2013-03-28 00:18
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